福井県小浜市で、勉強会・交流会を開催いたしました。
8月25日(日)
8月24日(土曜日)に小浜市まちの駅・旭座にて、勉強会・交流会「~福井で過ごすコウノトリの見えてくること~」を開催いたしました。
福井県では、放鳥個体9羽のうち6羽は繁殖個体となっており、今まで野外で10ペアが営巣し44羽のヒナが巣立っています。
小浜市では2021年から繁殖し、14羽のヒナが巣立ち、その内の2羽が越前市大塩町と丹生郡越前町を子育ての地として選び4羽のヒナが巣立ちました。
また、今年は繁殖地がさらにもう1ヶ所増えて、J0314♂とJ0331♀が産卵しました。
数字では測れないほど、コウノトリ野生復帰の取り組みを支えている地域だと思います。
コウノトリ市民科学のシステムを作られた東京大学地球環境データコモンズ 准教授 安川雅紀先生から「目撃情報の共有 ~コウノトリ市民科学の役目~」と講演いただきました。
コウノトリ市民科学のシステムも入れていただいている地球観測データ統合解析システム(DIAS)の他データとも照らし合わされて、コウノトリの長距離移動の際の気象状況や、海外からの閲覧等の事例が紹介され、これからのデータ活用の展望と市民参加型のデータベースについてお話しされました。
次にコウノトリ市民科学のデータ分析をしている大坂真希会員より、「コウノトリ市民科学から読み解く 福井県のコウノトリ」として講演しました。
データ総数が、他のデータベースを上回っていることや、そのデータによって見えてきた小浜市でのコウノトリの動きを説明しました。
小浜市に飛来するコウノトリは、東西南北それぞれの方面と行き来しており、各地域をつなぐハブの役割を果たしていることが示されました。
その後、パネルディスカッションを行い、初めにパネラーの皆さんより活動などの紹介をしていただきました。
①福井県立大学海洋生物資源学部 田原大輔 教授より小浜市の地域的特性、3年前の初繁殖時の地元の役割として、巣の産卵推定などのための映像記録と分析作業、その後のコウノトリの飛来場所の紹介がされました。
②小浜市コウノトリと共生する郷づくり推進協議会 森喜太郎 副会長より、小浜市とコウノトリの歴史と今行われている地元小学校との連携(環境学習やコウノトリの見守り活動)について、そしてこれから子供たちがコウノトリを通じた体験が続くよう環境保全に取り組むことを力強く宣言されました。
③越前市エコビレッジ交流センター スタッフで日本コウノトリの会 野村みゆき会員より、小浜市での餌場づくりの交流の足跡と餌場づくりについて話しました。
参加者の方との意見交換では、バードウォッチャーの方の話を聞いた際に、コウノトリ保護というのが疎まれているような印象を受けたこと、コウノトリが生態学的に外来のものではないかという意見を聞いたことがあるが、それはどうなのかという声がありました。
パネラーより、生態学的に再導入されているのは、問題ないことが示されました。
会場には、特別住民票や命名書等々がパネル掲示もされて、参加者の方も興味深く見られていました。
これから、小浜市でのコウノトリの目撃情報を共有し、全国へ発信していくことを確認しました。
皆さんのコウノトリ市民科学へのご参加をお待ちしています。
小浜市の後援をいただき、素敵な会場をお借りし、『コウの会』の皆さんは朝早くからパネル展示をしてくださいました。ありがとうございました。
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